今回のタイトルはエニックスのセガサターン参入第一弾ソフトとなった、七ツ風の島物語です。 とは言ってもエニックスは3タイトルしか発売してないのですけどね。
ゲームの概要
七ツ風の島物語は変わった住人たちの住む島を舞台にしたアドベンチャーゲーム。 プレイヤーは「前身年」を終え、サナギから孵った「ガープ博士」となって島の住人たちと触れ合い、そこで巻き起こる問題を解決していくというゲームです。
このゲームの一番の特徴を挙げるとすれば、この独特の世界観と語り口でしょう。 監督の雨宮慶太氏が長年あたためてきた世界を再現するという目標のもと、開発されていたようです。

エニックス参入第一弾
シームレスに島中を探索できるところがスゴイ
画面は横から見たサイドビュー画面になっていて、画面の端まで行くと次の画面へとスクロールして切り替わる方式になっています。 ゲームに馴染みのある方なら「ロックマン」や「ゼルダの伝説」(こちらは上から見下ろした視点ですが)のような形式と言えばわかりやすいでしょうか。 島はかなり大きく、キャラクターもよくアニメーションしますが、画面の切り替えでローディングが入ることはありません。 これには驚きました。 キャラクターの動きが遅いことや、広い島の中を探し回ることが多いこのゲームでも、(先へ進むための方法がわからなくてイライラするのは別として笑)そこまでストレスなくプレイできたのはこのお陰です。

画面切り替えは読み込みなし
次はどんなキャラが出てくるのか楽しみになる個性的なキャラクターたち
キャラクターはいわゆる「多関節」と呼ばれるような形式で表現されています。 頭や腕、足などそれぞれパーツごとに独立したものの集合体としてキャラクターを表現。 これによって、モーションごとにキャラクター全体の絵を書き換えるアニメパターンでは表現できない細かなアニメーション、滑らかな動きが可能になっています。 ガープ博士は中年太り(笑)の体型なので、お腹のボヨンボヨンした感じや、ジャンプした時や着地した時の体の重みが感じられます。
ガープ博士は体験したことを、自宅にある「七ツ風の島物語」に絵本として執筆しています。 語り口が独特なこの物語は、各章をクリアした際にはひとつの物語として読むことができます。
また、自宅にはもう1冊の本「風獣記」があり、住人たちのことが記録されています。 島の生き字引で困った時は何かと助言をくれる、巨大なカタツムリのような「ソウル」。 歳を重ねるとどんどん小さくなる岩人の「ジム・ストーン」。 行商人だが趣味の虫集めをガープ博士に協力してもらっている「タム婆」。 アクの強いキャラが満載です。

巨大なタム婆
島の秘密を解き明かす
この島には色々な住人がいますが、新たに出会った住人を風獣記から探し出し、物語を進めるヒントを読み解いていきます。 住人だけでなく、虫や魚、植物のことなども書かれていて、それもヒントになっています。 この風獣記で見つけて、行動の理由や次に行く場所をひらめいたときがこのゲームをプレイしていて一番楽しかったところですね。
住人たちは「前身年」が終わるとサナギを経て「後身年」へと生まれ変わります。 ガープ博士は後身年ですが、前身年のことを夢で見ることができます。 こういった独特の不思議な摂理が徐々に明らかになっていくところも面白いところです。

風獣記
プレイ時間
プレイ時間は合計で15時間ほどでした。 プレイの様子は実況としてこちらに投稿しています。