こんにちは、ハマチさん(@ss19941122)です。
今回は先日クリアしたLUNARシルバースターストーリーMPEG版のレビューです。
少々のネタバレはありますが、ストーリーの根幹に関わる部分については触れていませんので安心して閲覧してください。
LUNARシルバースターストーリーとは?
LUNARシルバースターストーリーはセガサターンで1996年10月25日に発売されソフトです。
1992年にメガCDで発売されたRPGをリメイクした作品でした。
その LUNARシルバースターストーリーの動画部分をより大きなサイズ、綺麗な形で収録し、ムービーカード専用ソフトとして発売したのがMPEG版です。
今回のレビューはMPEG版を前提に書いていますが、MPEG版特有の事柄は少なく基本的には通常版も同じです。
安心感を持って遊べるRPG
LUNARはフィールドの移動とコマンド選択式のバトルから成る、シナリオを楽しむタイプのRPGです。
イベントによってシナリオが進行しゲーム内の時間が経過するスタイルになっています。
このゲームが発売された当時のことですが、セガサターン(とプレイステーション)は鳴り物入りの次世代機として登場しました。
各開発者が「既存のゲームにはない新世代らしさ」を求めた結果、シミュレーションRPGだったりアクションRPGだったりと、変わり種ばかりが発売され、メガドライブの時代から言われていたRPG不足は一向に解消されませんでした。
そんな中で旧世代(と言ってもCD世代)の定番RPGをクオリティアップしてリメイクした本作は、RPGを欲していたユーザーが安心して手に取ることができるソフトでした。
プレイ時間も30時間ほどで、十分なボリュームがあります。
おすすめポイント
私がこのゲームをクリアした中で一番おすすめできると思うポイントは、圧倒的なテキスト量でキャラクターの人となりや信条を描き出し、シンプルなストーリーながらも深みがあるところです。
メインの登場人物以外にも豊富な会話のバリエーションが用意されていて、しかもシナリオが進行するごとに内容が変わってきます。
過去に訪れた街をマメに回り丁寧にゲームを進めていくと、様々なメッセージ性を含んだ物語になっていることがわかります。
登場するキャラクターでは第一印象での私のイチ推しは元気娘のジェシカ。
完全に見た目だけで選んでいます。八重歯が可愛いですね。
しかし、物語が進むに連れて、(性格は)普通の女の子ながらも芯の強さを持ったミアの魅力に惹かれていきました。
印象に残っているシーンは、この撃ち合いの場面。
物語の盛り上がりがクライマックスに向けて最高潮に達する場面での、緊張感のある間、迫力、キャラクターたちのカッコ良さ!
このゲームをプレイしていて良かった! と思える名シーンでした。
このあたりからミアの存在感がぐぐぐっと増してきました。
辛かったところ
プレイしてい辛かったと言うか一番気になった部分は、制作サイドの枠組みがわかりすぎてしまうというところです。
このLUNARに限らず同社のグランディア(特にグランディア2)もそうなのですが、
街があって、街の人のセリフは3パターンあって、なにか障害があって、ダンジョンがあって、モンスターが◯体いて、各モンスターは特殊攻撃を1個持っていて……。
ほとんどがこの決められたフレームに当てはめられています。
この構成はゲーム内の「区切り」を強く意識させることになり、これによりプレイしていて興が削がれると感じる部分がありました。
メガCD版との違い
セガサターン版のLUNARシルバースターストーリーは、原作であるLUNARザ・シルバースターから変更されている部分があります。
もちろんリメイクなのでグラフィックなどは大きく変わっているのですが、ここでは主にシナリオの方での変更点についてです。
(メガCD版については未プレイで、セガサターン版クリア後にプレイ動画で確認しました)
まず違いとして気づくのがアレスが持っている楽器が竪琴からオカリナに変更になっていること。
アレスの少年らしさを象徴する意味でこの楽器の変更はとても良かったと思います。竪琴だと何だか大人っぽい雰囲気が出てしまいますよね。
次に、セガサターン版で追加されたキャラクター。
フェイシア、ロウイスの2人が新キャラクターとして追加されています。
この2人はキャラクターがしっかりしていて、新キャラという意識も違和感もなく、物語に溶け込んでいました。
逆にこの2人が居なくなったら少し味気なく感じてしまうかもしれません。
ルーナと行動をともにする時間がメガCD版より長くなっていてるところも改良されている点です。
物語の序盤でルーナはさらわれてしまうのですが、メガCD版でのルーナは、さらに早い段階でパーティを離れてしまうので、さらわれたという実感が湧きにくいのではないでしょうか。
それに比べてセガサターン版では時間の長さに加えてパーティとして一緒に行動している最中にさらわれるので、より感情移入できたと思います。
物語の結末について。
メガCD版のラストはスパッと唐突に終わってしまう感じでした。
それに比べるとセガサターン版はちょっとした余韻があります。
その余韻に繋がる過程で(ゲームやアニメではありがちな展開なのですが)都合が良すぎる部分があるので、蛇足と感じる人も中にはいるかも知れません。
メガCD版はプレイしていないので贔屓目に見ているところもあるかもしれませんが、私はセガサターン版の方がより綺麗な形で終わっていて好印象に感じました。
大まかなストーリーラインはメガCD版もセガサターン版も同じですが、肝心の事の起こりに関わる部分が角度にして45度ぐらい違っています。
セガサターン版は本当にオーソドックスな物語で、メガCD版は若干ひねっている感じ。
別物だという印象をもつ人がいてもおかしくありません。
注意深くプレイするとメガCD版の設定もある程度生きていて、セガサターン版ではその設定をやや内包するような形になっていることがわかります。
私もレビューのためにメガCD版のプレイ動画を見て初めて気付きました。
ネタバレを避けるため曖昧な表現になってしまいますが、そこの部分はもう少し厚く補強してほしかった。
例えて言うならセガサターン版とメガCD版の接着剤がちょっと足りなかった。そんな印象を受けました。
とはいえストーリー全体としてはセガサターン版の方が好きですね。
続編のLUNAR2はまだプレイしていませんが、世界が繋がっているのでプレイしたらこの辺の感想は変わるかもしれません。
通常版とMPEG版の違い
内容は通常版とさほど変わりませんが、MPEG版の方がもちろんムービーのクオリティが高いので、環境がある人はぜひMPEG版で遊んでほしい。
全画面だとやはり迫力が違います!
他にもブロマイドの追加が3種類と、過去のムービーを再生できるアイテムが追加されています。
特に後者はMPEG版の高画質なムービーを存分に堪能できるとてもありがたい追加です。
最後に
LUNAR シルバースターストーリーは、ゲームというフォーマットで物語を体験したい人、1つのRPGの世界に入って雰囲気をしっかり感じたい人にはおすすめできる作品です。
逆にゲームを解く、攻略する、効率よく先へ進むといったことに1番面白さを感じる人には向かないかもしれません。
続編の LUNAR2 エターナルブルーもセガサターン版が発売されています。
未プレイなので雑誌の情報でしか見ていないのですが、こちらも面白そうです。
少し期間を置いてからぜひプレイしたいと思います。
基本データはこちらを参照してください。
攻略の記録はこちらです(ネタバレあり)
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