基本情報
セガサターンの「RAMPO」についての基本情報はこちらをご参照ください。
RAMPOの概要
セガサターンの初期に登場した佳作。
江戸川乱歩生誕百周年記念映画「RAMPO」の世界観を元にしたインタラクティブアドベンチャーゲームです。
セガサターン初期は本体価格の高さからかターゲットとなる年齢層がやや高めだったのでしょう。
周辺の発売タイトルを見てもゴルフやビリヤード、麻雀やパズルゲームなどで、特に実写取り込みを使い大人向けのテイストになっている作品も多く、この作品も例外ではありません。
内容もやや大人向けの話で、推奨年齢18歳のマークが付けられています。
ストーリーについて
ストーリーはサターン版オリジナルのものですが、乱歩役の竹中直人さんをはじめ、香川照之さん、羽田美智子さんなど一部映画と同じキャストによる豪華な顔ぶれ。
ある日仕事で行き詰まった乱歩が自分の経営する下宿で起きた事件をきっかけにさらに大きな事件へと巻き込まれていきます。
お勢が登場したり、屋根裏の探索シーンなど江戸川乱歩の作品をモチーフにした場面も所々で出てくるといった楽しみもあります。
前半は乱歩の下宿を中心とした事件、後半は大河原公爵邸での事件という形でディスク2枚を構成しています。
2枚組ですが総プレイ時間は5時間程度で、ゲームをできる時間が限られた大人には優しいゲームです。
ゲームへの没入感を高める工夫
特徴的なシステムとしては会話をする際に、何も押さなければ肯定的な態度、会話の切れ目でBボタンを押すと否定的な態度で感情を表現できるというシステムを採用しています。
これは約3ヶ月ほど前に発売された、同じくインタラクティブアドベンチャー「真説・夢見館」のシステムと似たものになっています。
真説・夢見館は前作にあたるメガCD版「夢見館の物語」の出来が良くて期待が高かったものの、続編となるセガサターン版は評判が悪かったので、このRAMPOで溜飲を下げていたユーザーも少なくなかったと思います。
ゲーム雑誌には真説・夢見館でガッカリした人は RAMPO をお勧めするというような読者投稿も載っていました。
セガサターンの初期には、わかりやすくCD-ROMの大容量を活かせるジャンルなので実写取り込みを売りにしたゲームがたくさん出ていました。
このゲームではその実写取り込みに加えて、BG面をたくさん持っているというセガサターンの特徴を活かした作りになっています。
実写とCGを組み合わせ、部屋の奥や扉の陰から人物が出てくるようなシーンなどを効果的に使うことで、まるで映画の中に入り込んでいるような臨場感を出すことに成功しています。
他にも臨場感、没入感を出すための工夫がとても優れています。
ゲーム中はいわゆる「インターフェース」というものが一切出てきません。
セリフは全て音声ですし、アイテムを選択する画面では左右キーで切り替えられることを示すアイコンすらなく、徹底されています。
これにより知らず知らずのうちにゲームに没入しています。
マルチエンディング
ゲームのエンディングには「甲」から「戊」までプレイ内容を5段階で評価してくれます。
進め方によっては最後の真相に至る前に終わってしまうこともあります。
エンディング評価が複数あるのに対して、セリフのスキップなど再プレイ時への配慮が全くないのが玉に瑕ですが、総プレイ時間は約5時間とそれほど長くないのでぜひ最後までプレイして「甲」を取ってほしいです。
以上、セガサターンのアドベンチャーゲームRAMPOのレビューでした。