懐かしいCM
俺の武器を知ってるかい? モップ! 柱時計! コショウ! このCM憶えていますか?
このCMで話題となったのが、ダイナマイト刑事です。
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当時、1995年末から続くバーチャコップ、バーチャ2、真・女神転生 デビルサマナー、セガラリーとコアゲーマーの心を鷲掴みにした勢いそのままに、PS陣営が得意としていたお茶の間をクスッと笑わせるシュールなCMでファミリー層までついに届きそう! そんな時勢でした。
様子見してたけどサターン買おうかな、そんな人たちが大勢いたのです。
サターンユーザーだった私もこのラインナップのコンビネーションと狙い通りのCMには拍手喝采でした。
……その直後にスクウェアがFF7でプレイステーション参入というニュースがあり、そんなの吹き飛びましたけどね。
あぶねー サターン買わなくて良かったー、なんて言われましたとも……。
ゲームの概要
ダイナマイト刑事はセガサターンの代表的なアクションゲームのひとつです。
人質を捕らえて高層ビルに立てこもったテロリストを相手にノースリーブの刑事が暴れるという完全に「ダイ・ハード」を意識したノリです。
人質は大統領の娘ですが、あまり可愛くなくて助けがいがありません(笑)
当時としてもやけにポリポリした角ばった感じでしたが逆にこのノリとマッチしていていい味に感じられます。
ゲームとしては、セガサターンソフトの中でベスト10本には入らないけど、セガサターンミニだったりセガサターンクラシックみたいなのが発売されることになれば必ず入るだろう、そういうソフトです。
セガサターン発売25周年となったのセガフェス2019でも巨大コントローラーとともに出展されていました。
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パッケージ(帯)には「横スクロールアクション」と書かれていますが、スクロールは、(ほぼ)しません(笑)
横スクロールのベルトスクロールアクションをポリゴンの時代に合わせてリフォーマットした先駆けがこのゲームです。
ベルトスクロールアクションでの1場面、1場面をプレイして、間はポリゴンのデモ + 画面の指示に従ってボタンを押すビジュアルシーンで繋いでいます。
このビジュアルシーンのシステムはシェンムーや龍が如くでも採用されていますが、このゲームが元祖かもしれません。
(システム自体はLDゲームと呼ばれていたタイプのアニメーションゲームと同じものですが)
なんとこのダイナマイト刑事、海外では正式に権利を取り「ダイ・ハード アーケード」として発売されています。
逆に版権モノとなってしまったがゆえの苦労話なども当時のインタビューで話されていました。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/b/bb/Die_Hard_Arcade.jpg)
多彩なアクション
このゲームのウリは多彩なアクション。
パンチ、キックボタンの組み合わせで技が出る。
格闘ゲームばりの先行入力で、ジャイアントスイングやジャーマンスープレックスといった大技も出せます。
また、当たりが上段、下段の別があったり、相手を浮かせてからの空中コンボ的なことまであります。
特殊なアクションとしては銃を持っている時に相手を掴んでパンチx2またはキックx2で出る「逮捕」。
残り体力に関係なく相手を仕留められるので決まると爽快です。
もちろんCMのネタにもなっている変わった武器も特長のひとつ。
ハンドガン、マシンガン、ミサイルランチャー、対戦車ライフル、催涙スプレー、コショウ、ナイフ、ファイヤーアックス、割れた瓶、デッキブラシ、鉄パイプ、棍棒、柱時計、ドラム缶、モニターTV、イスなど、銃器から家具まで多彩です。
柱時計は意外にも投げて相手に当てるアイテム。振り回すのかと思ったら1回で終わりだったりします。
コショウは粉の滞空時間が長くて意外と使える。
私の一番のお気に入りはミサイルランチャーと対戦車ライフル。
対戦車ライフルは当たった相手を向こうの壁まで吹き飛ばすのが気持ちいい!
ミサイルランチャーは着弾時に爆発して周囲もろとも吹き飛ばします。爽快。
敵キャラ
敵キャラもかなりイカれた感じでいい味だしています。
便所で小便しているやつ、シャワー室からパンツ一丁で出てくるやつ、スモウレスラーみたいやつ……。
基本的に変なのばっかり(笑)
ビジュアルシーン
前述の通り、戦闘の場面と場面とはビジュアルシーンで繋がれています。
建物内を移動する刑事をカメラが追いかけ、急に現れる敵や障害物に対応するため、画面上に指示されるボタンを素早く押します。
失敗すると戦闘が不利な状況で始まったり、戦闘しなくていい場面で戦闘になったりしてしまいます。
戦闘では場面場面でカメラが固定されていて、従来の横スクロールのベルトアクションと比べると単調になりがちなところにうまく緊張感を与えてカバーしている印象です。
ミニゲーム
ディープスキャンという1979年に可動したアーケードゲームが遊べて、そのスコアによってクレジットを増やすことができます。
単純だけどぼけーっとやり続けてしまうようなゲームです。
ゲームオーバーになっても、ダイナマイト刑事の本編を始めるまでは貯めたクレジットは引き継がれるので何度も挑戦してクレジットを増やせます。
逆に適当な数で始めるとクレジットが足りずにクリアできなくて悔しい思いをするので、クレジットは多めに。
好きなだけクレジットを増やせるので私のようにド下手でもクレジットを豊富に用意すればエンディングまでたどり着けます。
私は過去友人たちとこのダイナマイト刑事をたびたびプレイしていましたが、いつもクレジット稼ぎを億劫がって、ラスボスでやられてしまっていたので、今回レビュー前のプレイでは99クレジットを用意してチャレンジしました。
結果的にはクリアまでに消費したクレジットは23クレジットでした。
クリアまでにかかったクレジット数(1クレジット、3クレジット以内、7クレジット以内、8クレジット以上)でエンディング後の1枚絵グラフィックの内容が変化します。
ここがイマイチ
ポリゴンのデモシーン(ムービーシーン)ではカメラが切り替わる度に音楽がストップするのが地味にストレス。
ここを解消するだけでだいぶ印象は変わったはずです。
また、操作性は若干キーが重いかなーという印象を受けます。
ポリゴン表現化したトレードオフなのでしょうか。
例えるとスト2とバーチャ2の違いと考えれば納得できますが、そんな重さを感じます。
総評
ベルトスクロールアクションの3Dポリゴン化に果敢に挑戦した1作。
多彩な武器とノリの良さで楽しく遊べるアクションゲームです。
プレイ時間は20分ほどでした(ディープスキャン除く)。最後までサクっと遊べます。
ぜひ2人同時プレイで遊んでください。