去年(2020年)に購入した Analogue 社の Analogue Pocket が届きましたのでご紹介します。
黒と白がありますが、買ったのは黒です。
併せて Dock も購入しました。
Analogue Pocket の概要
Analogue Pocket は Analogue 社から発売された、FPGA を用いた携帯型の互換機です。
対応ソフトはゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスです。
オプションのアダプターを挟むことでゲームギア、ネオジオポケット/カラー、ATARI LYNX、PCエンジン Huカードにも対応しています。
2021年12月現在、ゲームギア以外のオプションアダプタはまだ発売されていません。
外観、キー
白いゲーム機の場合、手垢で汚くなることを嫌って黒のバージョンにしてみましたが、凹凸があまりないので白でも問題は少なさそうです。
ボタンも電源ボタンとボリュームボタン以外は不満がありません。
十字キーにボタンが4つ、背面にはL/Rボタン、左側面にボリュームボタンと電源ボタンがあります。
十字キーはやや4方向にカチカチと固めに入る感じがしますがドリームキャストや Wii に近い操作感になっています。
3DSLL や GBASP などの浅いストロークのキーよりはしっかり入ります。
A,B,X,Y ボタンもストロークのあるタイプで、L/R ボタンは GBASP に近い感じです。
画面が綺麗
超高解像度がすごい
こちらのツイートに動画を載せたのでまずはこれを見ていただくのが一番わかりやすいです。
Analogue Pocket の解像度は1600×1440です。
ゲームボーイ(およびゲームギア)の解像度が160×144なのでちょうど10倍。
1インチあたりのピクセル数は 615ppi で、iPhone13Pro の 460ppi を上回る精細さです。
GBASPや3DSのVCと違って元のアスペクト比が維持されていてストレスゼロです。
ゲームギアは160×144ピクセルですが、ピクセルの大きさが正方形ではないため実際の表示アスペクト比に合わせた表示になるように調整されています。
(オプションの設定でゲームボーイ同様スケール 10 倍のモードにもできます)
各モードの高い再現度
ゲーム機ごとに画面の表示モードが用意されていて、例えばゲームボーイの場合はフィルタなしで表示する「Analogue GB」モード、初代ゲームボーイの色味を再現する「Original GB DMG」モード、ゲームボーイポケットを再現した「Original GBP」、青いバックライトを再現した「Original GBP Light」モードなどがあります。
ゲームボーイ
基本の画面モード。
スーパーファミコンミニやメガドライブミニなどのミニ系ゲーム機でもそうですが、昔のゲームを液晶で映すとはっきりしすぎてしまって逆に見づらいことありますよね。
いわゆるスキャンラインではなく、ドットとドットの間が白で切り離されていてかなり再現度が高いです。
光を受けてドットが浮いてるように見えるところまで再現しているように見えます。
この拡大画像を見ればいかに再現度が高いかよく分かるかと思います。
ゲームボーイポケットを再現したモード。
普通に遊ぶならこれが一番遊びやすいですね。
ゲームボーイ LIGHT を再現したモード。
バックライトで青白い画面が特徴的でした
こちらは、何を再現したものなのか自分の知識ではわかりませんでした。
赤い画面と言えばバーチャルボーイを思い出しますが……。
ゲームボーイカラー
基本の画面モード。
ドットの隙間の線が、ゲームボーイのときとは変わっているのがわかります。
これも再現度が高いです。
ゲームボーイカラーはバックライトなし反射型液晶だったので、綺麗ですが見づらかったんですよね。
こちらは明るくきれいです。
ゲームボーイアドバンス
基本の画面モード。
こちらもゲームボーイカラーと同じでバックライトなしの反射型液晶でした。
色味がちょっと薄い感じも再現されています。
GBASP を再現したモード。
ゲームボーイアドバンス系ではこれが一番見やすいですね。
ゲームギア
基本の画面モード。
STN液晶 + バックライトの色の薄さまで再現。
確かにこんな色味でした。
見やすくした「GG LCD+」モード。
常用するならこれでしょう。
アスペクト比も正しく、違和感がないですね。
アスペクトFit モードに変更するとこのような感じです(この変更は全画面モードに適用できます)
こちらだとオリジナルと比べて縦長になってしまいますね。
ちなみに GG アダプタ + ソフトだと頭が少し飛び出てしまいます。
少々不格好ですが、GBASP で GB ソフトを遊んでいたことを考えるとだいぶマシです。
細かいハード設定
ゲームボーイカラー対応/専用ソフトは通常ゲームボーイカラーモードとして起動しますが、「ForceGB」に設定しておくとゲームボーイとして起動させることができます。
同じようにゲームボーイカラーの場合、「Run As GBA」に設定することでゲームボーイアドバンスとして実行させることもできます。
風来のシレンGB2ではゲームボーイカラーとゲームボーイアドバンスのどちらでプレイしているかによってボタン配置が変わりますので、これらの設定ができることはありがたいです。
ゲームボーイカラーではオートマップの表示にセレクトボタンが割り当てられていますが
ゲームボーイアドバンスではナナメ移動切り替えボタンとなってしまっています。
GBASP でプレイする場合はアドバンスでの操作になってしまっていたのですが、Analogue Pocket ではゲームボーイカラーとして操作できます。
スリープ機能
ゲームプレイ中に電源ボタンを押すと、スリープ状態となり、スリープ解除で元の状態からプレイを再開できます。
現在ではスマホなどでは当たり前の挙動ですが、実機にはなかった機能なのでありがたいです。
変わり種ソフトにも対応
手持ちのソフトで、ソフト内の傾きセンサーを使ってプレイする「コロコロカービィ」を試してみましたが、こちらは問題なく操作できました。
このような跳ね上げる操作も実機と同じようにできます。
Analogue Pocket はカートリッジのスロットがゆるいといったような話も海外の情報サイトで見かけました。
スロットが浅いのは確かですが、このような跳ね上げ時に不安に感じるようなレベルではないです。
言われてみれば、という感じですね。
ここ数日枕元に置いて寝落ちするまでプレイとかしてましたが、特にカートリッジに触ってしまって抜けた/フリーズしたなんてことも特にありませんでした。
故意に触ったりずらしたりしなければ特に問題ないです。
似たようなソフトでゲームボーイアドバンスの「まわるメイドインワリオ」がありますが、こちらは持っていないので試せてません。
マニュアルを見るとプレイやんにも対応しているようです(昔使っていました)。
EverDrive にも対応しています。
イマイチなところ
良いところばかりではないのでイマイチなところも挙げておきます。
サイズ・重量
サイズはNew3DSLLより一回り小さい程度、重さはNew3DSLLよりやや軽いですが、やや大きくて重いことは否めません。
とはいえカートリッジスロットにL/Rボタン付きではこのぐらいが物理的に限界なのでしょうか。
ボタン
ボリュームボタンと電源ボタンは浅すぎてやや押しにくいです。
特に電源ボタンは押しているつもりで押せていないことがよくあります。
また、ボタンが浅いので枕元で電気を消した状態で正確に押すには慣れが必要そうです。
EverDrive ではスリープが効かない
EverDrive ではスリープが出来ず、電源断となります。
SDカードスロット
SD カードスロットは、通常だいたい付いているような丸い凹みがないため、SD カードを奥まで押し込むことができません。
指先だけで SD カードを挿入することはできませんでした。
爪楊枝などを使って押し込めば大丈夫です。
Dock
Dock の方を見ていきましょう。
モニターへ出力する HDMI 端子と、有線コントローラー用のUSBポートが2つ付いています。
HDMI ではなくアナログ出力するための Analogue DAC にも対応予定のようですが、現在のファームウェアバージョンでは未対応でした。
Dock は電源シビアなようなので映らないなと思ったら付属のアダプタ&ケーブルで試してみてください。
対応コントローラー
Dock は無線のコントローラーにも対応していて、手持ちの 8bitDO のスーパーファミコン風コントローラー「SN30」もペアリングをして使えました。
GB, GBAのソフトで試した限りでは遅延も特に感じられませんでした。
マニュアルを見ると PS4 や Switchの Pro コントローラーにも対応しているようです。
有線のメガドラミニコントローラーは一部のボタンのみしか効かず対応していませんでした。
ファームウェアで対応コントローラーが追加されてるようなのでひょっとしたらそのうち対応されるかもしれません。
操作
カートリッジの切り替え操作について
マニュアルの記載によるとカートリッジを取り替える場合、「Quit Game」で一旦ゲームを終わらせたら、Pocket の電源は入れたままでカートリッジを交換してOKです。
ゲームボーイ実機のようなロック機構はないのでそのまま入れ替えられます。
電源ボタンがやや押しにくいのでこれはありがたいです。
ファームウェアのアップデート
ファームウェアをアップデートするには公式のサポートサイトから .bin ファイルをダウンロードして、SD カードのルートにそのファイルを置いて起動するだけです。
フォーマットは FAT32 と exFAT に対応しているようです。
Dock の方にもファームウェアがあります。
こちらのアップデートは、Pocket 同様、bin ファイルを USB メモリなどの USBストレージのルートに置きます。
フォーマットは FAT32 である必要があります。
ストレージは相性あるみたいなので、うまく行かない場合は別のものに変えて試してみてください。
Dock から電源ケーブルを抜き、コントローラーの USB ポートにストレージを挿した後に電源ケーブルを指すと自動的にファームウェアが更新されます。
電源とケーブルはプレイ時同様、付属のものを使った方が良いです。
このとき HDMI ケーブルを繋いでいれば進捗状況が HDMI 出力されるので挿しておくと良いでしょう。
クイックセーブ
Analogue Pocket をはじめ、Analogue 社製品は FPGA を用いた互換機で、いわゆるエミュレーター機ではなく実際のカセットで遊ぶものです。
そのためセーブデータは元のゲーム機と同じくカートリッジに保存されます。
当然カートリッジのバックアップに使用されている電池が切れている場合はセーブが出来ないのですが、この Analogue Pocket では Analogue OS というものが使用されていて、本体側にプレイ中のスナップショットをとる「クイックセーブ」機能が追加されます。
当該機能はまだ正式版ではないようで、v1.0 のファームウェア(購入時は v0.9 でした)にすると、メニューの「Analogue OS > Beta」にクイックセーブ機能を有効化する設定が追加されます。
このクイックセーブは全ゲーム(ゲームボーイ、カラー、アドバンス、ゲームギア全て含めて)で1個だけとなっていて、複数のゲームを保存することは今のところはできないようです。
正式版ではセーブスロット数の増加に期待したいです。
ハンディゲーム機のゲームをプレイするのに最適な環境を提供してくれるハードであることは間違いないでしょう。
出荷の時期は遅くなってしまいますが公式ストアではまだ注文を受け付けているようなので興味のある方はぜひ。