こんにちは、ハマチさん(@ss19941122)です。
今回はレトロゲーム好きにおすすめしたい小説「レトロゲームファクトリー」を紹介します。
2018年に新潮文庫より発刊されています。
レトロゲームの移植プロジェクトをめぐる話
主人公は、レトロゲームに携わりたくて業界に入った、優秀なプログラマーの白野高義。
同じくレトロゲーム好きで、昔のゲームの移植やリメイクを手掛ける会社「レトロゲームファクトリー」の代表取締役「灰江田直樹」と出会います。
そして敵役となるのは大手ゲームメーカー「グリムギルド」のプロデューサー「橘鋭介」。
ファミコン時代に活躍した会社から権利を強奪し、その名前だけを使い開発費をほとんどかけない「劣化ゲーム」を量産する、大手ゲームメーカーのグリムギルド。
そのグリムギルドで灰江田と同期だったプロデューサーです。
灰江田は会社の方針に見切りをつけ退職。
レトロゲームファクトリーを立ち上げます。
グリムギルドの設定も、何だかどこかのゲームメーカーが頭に浮かんできますね。
モデルはあそこの会社かな…何てことを考えながら読むのが楽しい。
喫茶店「ドットイート」
作中には「ドットイート」という喫茶店が出てきます。
レトロゲームファクトリーの事務所が入るビルの1階にあります。
店内にはファミコン、PCエンジン、メガドライブ、MSXなどが壁の棚に並べられている。
店の扉を開けるとピコピコ電子音が溢れ、カウンターでは客がレトロゲームに興じています。
レトロゲーム好きには憧れの環境です。
想像するだけでワクワクしてきませんか?
これは小説の中のお店ですが、そんなお店が気軽に行けるところにあったら良いのに!
リアリティがある「Aホークツイン」
そして物語のキーになるのは小説内の架空のシューティングゲーム「Aホークツイン」。
白凰アミューズメントがファミコン全盛期の頃に発売されたUGOブランドのゲームソフトという設定です。
UGOブランドもAホークツインも、もちろん架空のもの。
実在のゲームソフトの固有名詞がたくさん登場し、UGOブランドのシリーズ背景もしっかりと設定されているので、架空のゲームとは言えレトロゲームの1本としての説得力がありました。
このAホークツインの移植を巡ってストーリーは展開していきます。
さすが現役プログラマーの著作とあって、移植の過程もリアルに描かれています。
昨今、過去の名作の移植やリメイクが色々と出てきていますが、まるでその裏側を覗いているような気分です。
物語自体は深夜ドラマを見ているような感覚でテンポ良く進み、終わり方もすっきりと爽やかでした。
レトロゲーム好きにはぜひ読んでもらいたい、お勧めの作品です。